美容コラム

September 10, 2020

皮膚科医が解説!今注目の肌老化、〝肌やせ〟のメカニズム

皮膚科医が解説!今注目の肌老化、〝肌やせ〟のメカニズム
シミ、シワ、たるみ…。多くの女性を悩ませる肌の老化。そんな肌悩みの原因や対処法、効果的な成分などを皮膚科医の先生にレクチャーしてもらう連載がスタート。初回のテーマは〝肌やせ〟。表参道美容皮膚科 原宿本院の副院長 三宅真紀先生に、肌やせのメカニズムや原因について詳しく教えてもらいました。

●肌やせってなに? 

〝肌やせ〟という言葉は、聞きなれないかもしれませんが、〝菲薄化〟ともいわれ、文字通り肌が薄くなって痩せてしまうこと。最近注目されている肌老化の一種です。

皮膚は表面から順に「表皮」、「真皮」、「皮下組織」の3つの層で構成されています。ハリのある肌を支えているのが真皮にあるコラーゲンやエラスチン。肌やせは、このコラーゲンやエラスチンの量が減少するために起こる現象です。
弾力に満ちた肌の真皮は、コラーゲンやエラスチンの構造はきれいな網目状をキープしています。真皮のコラーゲンやエラスチンが減少することで、網目が崩れて厚みがなくなり、弾力を失いしぼんでしまうのです。

いうなれば、肌内部がスカスカになってしまうこと。ハリがなくなることで、たるみやシワが目立ち、まさに老けた肌に。
こうなると目元もくぼんでみえて、常に疲れているような表情に見えてしまうのです。
しぼんだ風船をイメージしていただくとわかりやすいと思います。
イメージ

●肌やせにはいくつかの原因がある

肌やせは、老化によってコラーゲンやエラスチンが減少することが原因ですが、なぜ年をとるとコラーゲンやエラスチンが減ってきてしまうのでしょうか。

原因①女性ホルモンの分泌量の低下

20~30代をピークに40代に入るころから分泌量が下がってくるといわれている女性ホルモン。体内のコラーゲンやエラスチンの生成を助け、肌にハリを与えるといわれています。女性ホルモンの分泌量が減ってくると、コラーゲンの生成量も低下するうえ、新陳代謝も悪くなります。
その結果、新しい肌細胞をつくり出す力も衰えて肌がどんどん薄くなってしまうのです。

原因②細胞外ATP

〝ATP(アデノシン三リン酸)〟とは、生物に必要不可欠なエネルギーの供給源で、肌の健康にも大きく関わっています。〝細胞外ATP〟とは、そのATPが、加齢などによって細胞の外に漏れだす現象のこと。

最新の研究で、ATPは、細胞内では健康な肌をサポートするエネルギーとなるものの、細胞の外に出ると周囲の細胞を刺激してコラーゲンを分解する〝MMP-1〟を発生させるということがわかってきました。MMP-1により、真皮のコラーゲンが壊されると肌はどんどん薄くなっていきます。

原因③活性酸素

活性酸素とは、ほかの物質を酸化させる力(錆びつかせる力)がとても強い酸素のこと。
老化のほか、喫煙やストレス、睡眠不足、添加物の多い食事なども活性酸素を増やす要因といわれています。

活性酸素によって肌細胞が攻撃されると、コラーゲンをつくる働きが弱くなるうえ、コラーゲン自体にもダメージを与えます。そうなると、肌やせも進んでしまうのです。

原因④紫外線

紫外線は、原因③の活性酸素の原因にもなるのですが、真皮に届いて直接コラーゲンやエラスチンを生成する細胞を破壊することもわかっています。紫外線の影響で、新たな肌の細胞をつくりだすこともできず、肌はどんどん老化してしまうのです。

肌やせは老化現象なので、どんな人も避けて通れません。
ですが、正しく対処すれば肌やせの時期を遅らせ、健康な肌を長くキープできます。

次回は、三宅先生に肌やせの対処法や効果的な成分について教えていただきます。

美容皮膚科医

三宅真紀先生

表参道美容皮膚科 原宿本院 副院長。5万例以上の美容皮膚科治療実績をもち、患者の立場に立った、優しく丁寧なカウンセリングに定評がある。美容・スキンケア全般の知識も豊富で、数多くの有名化粧品開発にも携わる。テレビ・雑誌などのメディアにも多数出演。

https://omotesando.info/

photo/Ritsuko Aoyagi
text/Satoko Akagi