美容コラム

October 30, 2020

皮膚科医が解き明かす! 美しい肌の源、幹細胞とは?

皮膚科医が解き明かす! 美しい肌の源、幹細胞とは?
〝幹細胞〟という言葉を知っていますか? 聞いたことはあっても詳しくはわからない、という人も多いはず。この幹細胞、美しい肌にはなくてはならない細胞で、今とても注目されているんです。今回は、幹細胞治療にも詳しい、今泉スキンクリニックの院長 今泉明子先生に〝肌(皮膚)の幹細胞〟について教えていただきました。

●幹細胞ってどんな細胞?

幹細胞というのは、細胞の〝母親〟のような存在。新しい細胞を生み出し続ける、美肌には欠かせない細胞です。幹細胞は、主に成体幹細胞と、ES細胞(胚性肝細胞)、iPS細胞の3種類にわけられます。今回解説するのは、体の組織に存在する成体幹細胞について。皮膚の場合は、表皮、真皮、脂肪組織にそれぞれ幹細胞が存在します。

●幹細胞はどんな働きをしているの?

幹細胞の役割は大きくふたつ。ひとつは、幹細胞自体がさまざまな細胞に変わる「分化」。たとえば、肌は「表皮細胞」や「真皮細胞」など、多くの細胞でできていますが、幹細胞はその時々で必要な細胞に変化して新しい細胞になることができるのです。

もうひとつは、幹細胞が細胞分裂して、自分自身とまったく同じ幹細胞を生み出す「自己再生」。幹細胞が増えることで、分化によって生み出される細胞も増えるため、健康な肌をキープすることができます。肌の幹細胞は衰えてくると、数が少なくなったり、新しい細胞を生み出す力が弱くなり、肌も衰えていくのです。

●幹細胞が衰える原因

幹細胞が衰える原因は「老化」と「外的ストレス(細胞に対するストレス)」です。
外的ストレスというのは、紫外線や不規則な食生活、活性酸素、病気、大気汚染など。細胞にストレスがかかることで、幹細胞自体も衰えてしまい、分化も再生もできなくなってしまいます。

●幹細胞が衰えると肌はどうなる?

さきほどお話したとおり、肌の幹細胞は、表皮や真皮、脂肪細胞に存在します。たとえば、表皮の幹細胞が衰えると、ターンオーバーの源になるケラチノサイトという細胞が生成されなくなり、肌にくすみが出てきます。真皮の幹細胞が衰えると、コラーゲンやエラスチンを生成する、線維芽細胞がつくられなくなるため、小ジワやたるみが現れます。そのまま放置していると、くすみはシミに、小じわは深いシワになり、顔全体が老けた印象になっていくのです。

ただ、幹細胞の衰えによるシワと表情ジワは別物。眉間や目じりのシワではなく、あまり動かない目の下などの小ジワが気になるようになったら要注意です。幹細胞が衰えてくるのは、その人の環境によりますが、だいたい30代後半くらいからの方が多いようです。

幹細胞は老化や外的ストレスで衰えてしまいます。ですが、だれしもに存在する細胞なのでしっかりケアすれば、幹細胞の衰えを遅らせ、活性化させることは可能です。

次回は、幹細胞の衰えに対するケア方法をご紹介します。

皮膚科専門医

今泉明子先生

今泉スキンクリニック 院長。聖マリアンナ医科大学を卒業後、日本赤十字医療センターの皮膚科に勤務。皮膚科医として経験を重ねるほか、ニューヨークの大学で〝肌の修復・再生〟の研究に従事。帰国後は、都内の皮膚科クリニック院長を経て、2018年、六本木に「今泉スキンクリニック」を開院。2020年9月に増床オープンし、2フロア構成に。年間7,000人以上の肌と向き合い、ひとりひとりの悩みに合わせた治療を行う。著書に『健康になりたければシワを取りなさい』(自由国民社)がある。

https://imaizumisc.or.jp/

photo/Ritsuko Aoyagi
text/Satoko Akagi(staff on)